セイコーの型番の調べ方|裏ぶたの数字で製造年も分かる

調べ方・売り方

セイコーの型番の調べ方|裏ぶたの数字で製造年も分かる

文:むかし時計便 査定担当

セイコーの腕時計の裏ぶたには、「5626-7000」のような「4桁-4桁」の数字と、「1N0123」のような6桁の番号が刻まれています。この2つを読めるようになると、その時計がどんな機械を積んだ、どのモデルで、いつごろ作られたのかがかなりの精度でわかります。

この記事では、昭和のセイコーから現行モデルまで、裏ぶたと文字盤から型番を調べる方法を、図と実例で順番に解説します。お父様・お祖父様の時計を調べたい方や、売る前に型番を確認したい方は、時計を手元に置いて読み進めてください。

この記事のポイント

  • セイコーの「型番」には、製品の品番(SBGA211など)と裏ぶたの番号(5626-7000など)の2種類がある
  • 裏ぶたの「4桁-4桁」は、前半がキャリバー(機械)、後半がケース(デザイン)の番号
  • 6桁のシリアル番号は、1桁目が西暦の下1桁、2桁目が製造月(10月=0、11月=N、12月=D)
  • 何年代かはシリアルだけでは決まらないので、キャリバーが作られていた時期と組み合わせて判断する

セイコーの「型番」は2種類ある

「型番を調べて」と言われたときに混乱しやすいのが、セイコーには性質の違う番号が2つあることです。

セイコーの2種類の「型番」
製品の品番裏ぶたの番号
例SBGA211、SARX035、SBDC1019R65-0AE0、6R15-00C0、5626-7000
何を表す?販売されている商品(色・ベルト違いも区別)中の機械(キャリバー)と外装(ケース)の組み合わせ
どこに書いてある?保証書・保証カード、箱のラベル、カタログ時計本体の裏ぶた、文字盤の下部
昭和の時計には?今の形式の品番はない(保証書が残っていれば当時の番号が載っていることも)ほぼ必ずある

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つまり、時計本体だけで確実に調べられるのは「裏ぶたの番号」のほうです。箱も保証書も残っていないことが多い古い時計は、裏ぶたの番号を手がかりに調べていきます。ちなみに、セイコーの公式の取扱説明書も、この裏ぶたの4桁(キャリバー番号)で探す仕組みになっています。

裏ぶたのどこを見ればいい?

時計を裏返すと、裏ぶたにはたくさんの文字が刻まれています。昭和のセイコーの場合、見るべき場所はおおむね次の5つです。

MEDALLIONBRANDWATER PROOF5626-7000STAINLESS STEEL1N01231防水などの表記WATER PROOF など2メダリオン(エンブレム)モデルを見分ける手がかり3キャリバー・ケース番号例:5626-70004素材の表記STAINLESS / 18K など5シリアル番号例:1N0123(製造年がわかる)

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昭和のセイコーの裏ぶたに刻まれている主な情報(むかし時計便 作成の模式図。配置はモデルによって異なります)
裏ぶたの刻印と、その意味
刻印例わかること
キャリバー・ケース番号5626-7000どの機械を積んだ、どのデザインの時計か
シリアル番号1N0123製造された年(下1桁)と月
素材STAINLESS STEEL、GOLD FILLED、SGP、18Kケースの素材。金無垢か、金張り・メッキかの区別
防水表記WATER PROOF、WATER RESIST防水性能。表記の違いが年代の手がかりにも
メダリオン・紋章獅子、盾、イルカ、タツノオトシゴモデルやシリーズの手がかり

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実際の裏ぶたは、たとえば次の写真のようになっています。

セイコー キネティックの裏ぶた。5M82-0BE0 の刻印と6桁のシリアル番号 420629
セイコー キネティックの裏ぶた。右下に「5M82-0BE0」(キャリバー・ケース番号)、その左に6桁のシリアル番号「420629」、上部に「WATER RESISTANT」「STAINLESS STEEL」の表記が見えます(平成以降のモデル)写真:ブルーノ・プラス / CC BY 4.0(Wikimedia Commonsより縮小して掲載)

数字が読みにくいときのコツ

  • 窓際など明るい場所で、光が斜めから当たるように角度を変えると、浅い刻印も読みやすくなります
  • スマートフォンで撮影して拡大すると、肉眼より読みやすいことがよくあります
  • 汚れが気になっても、研磨剤や金属磨きは使わないでください。乾いた柔らかい布で軽く拭く程度にとどめましょう

「5626-7000」の読み方|キャリバーとケース

裏ぶたの「4桁-4桁」の番号は、ハイフンの前がキャリバー番号、後ろがケース番号です。

  • キャリバー番号(前半4桁):中に入っている機械(ムーブメント)の型式です。手巻きか自動巻きか、カレンダーの有無、振動数などがここで決まります
  • ケース番号(後半4桁):外装のデザインを表す番号です。同じ機械でも、ケースの形や文字盤が違えば別の番号になります

注意したいのは、ケース番号はキャリバー番号と組み合わせて初めて意味を持つという点です。たとえば「5740-8000」と「6105-8000」は、後半がどちらも8000ですが、まったく別の時計です。調べるときは必ず8桁セットで扱いましょう。

昭和のセイコーで知られるキャリバー番号の例

キャリバー番号がわかると、それだけでモデルの見当がつくことがあります。代表的な例をまとめました。

キャリバー番号とモデルの対応(代表例)
キャリバー主なモデル種類
5645 / 5646グランドセイコー(56GS)自動巻き・ハイビート
4520 / 4522グランドセイコー(45GS)手巻き・ハイビート
5625 / 5626キングセイコー(56KS)自動巻き・ハイビート
4500 / 4502キングセイコー(45KS)手巻き・ハイビート
5740ロードマーベル36000手巻き・ハイビート
6139スピードタイマーなどの自動巻きクロノグラフ自動巻き・クロノグラフ
621762MAS(国産初のダイバーズウォッチ)自動巻き
6105150mダイバーズ自動巻き
7009 など70番台セイコー5 ほか自動巻き

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※ 同じキャリバーでも、末尾の番号やケースによってモデル名や仕様が異なる場合があります。

各モデルの特徴や、どんな点が評価されるのかは、次の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい古いセイコーの価値は?昭和の人気モデルと買取のポイントグランドセイコー、キングセイコー、ロードマーベルなどを一覧で比較しています。

シリアル番号から製造年・製造月を割り出す

6桁のシリアル番号は、時計好きのあいだで広く知られている読み方があります。セイコーが公式に解説しているものではありませんが、多くの資料で一致しており、昭和の時計の製造時期を知るうえで実用的な方法です。

裏ぶたの番号はこう読む5626-7000キャリバー番号中の機械(ムーブメント)の型式ケース番号外装(デザイン)の番号1年西暦の下1桁N月11月0123残りの4桁は製造の通し番号シリアル番号(6桁)5626 は1968〜75年ごろの機械 → 「1」は1971年 → 1971年11月製

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裏ぶたの番号とシリアル番号を分解した例(むかし時計便 作成)
シリアル番号の2桁目と製造月の対応
2桁目1〜90(ゼロ)ND
製造月1月〜9月10月11月12月

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何年代かを決める手順

シリアル番号の1桁目は「西暦の下1桁」なので、たとえば「1」なら1961年・1971年・1981年…のどれかです。どの年代かは、キャリバーが作られていた期間で絞り込みます。

  1. 1

    裏ぶたのキャリバー番号(前半4桁)を確認する

    例:5626-7000 なら「5626」です。

  2. 2

    そのキャリバーが作られていた時期を調べる

    上の表や、キャリバー番号での検索で確認できます。5626(56KS)は1968年ごろから1975年ごろにかけて作られた機械です。

  3. 3

    シリアル番号の1桁目と組み合わせる

    1桁目が「1」なら、その時期に当てはまるのは1971年。2桁目が「N」なら11月なので、1971年11月製と判断できます。

読み方の実例
裏ぶたの番号シリアル読み方製造時期
7005-80626522906=年の下1桁、5=5月。7005は1970年代の機械1976年5月
5626-70001N0123(例)1=年の下1桁、N=11月。5626は1968〜75年ごろの機械1971年11月
5M82-0BE04206294=年の下1桁、2=2月。年代はキャリバーの製造期間で判断「◯4年2月」

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この読み方が当てはまらないケース

  • 1960年代半ばより前の時計:シリアル番号が7桁のものがあり、読み方が異なることがあります。裏ぶたの内側に刻まれている場合もあります
  • 2019年以降の新しい「セイコー5スポーツ」:シリアル番号が、この規則に従っていないとされています
  • 10月の表記:多くの資料では数字の「0」ですが、英字の「O」と紹介している資料もあります。いずれも10月と考えて差し支えありません

文字盤やメダリオンからわかること

文字盤下部の小さな番号

昭和のセイコーの多くは、文字盤の6時位置のふちに「JAPAN 5646-7000T」のようなごく小さな番号が印刷されています。これは裏ぶたと同じ「キャリバー-ケース番号」で、末尾にアルファベットがつきます。裏ぶたの番号と文字盤の番号が一致しているかは、文字盤が交換されていないかを確かめる手がかりにもなります。

グランドセイコー オートマチック ハイビート 5646-7000 の文字盤
グランドセイコー ハイビート。6時位置に「JAPAN 5646-7000T」写真:Dnalor 01 / CC BY-SA 3.0 AT(Wikimedia Commonsより縮小して掲載)
キングセイコー オートマチック スペシャル ハイビート 5246-6000 の文字盤
キングセイコー ハイビート。6時位置に「5246-6000R」写真:Dnalor 01 / CC BY-SA 3.0 AT(Wikimedia Commonsより縮小して掲載)

末尾の「T」や「R」が何を意味するのかは諸説あり、はっきりしていません。「T=夜光塗料」という説は、夜光のない文字盤にもついていることから否定的に見られています。型番を調べるうえでは、前半の8桁が読めれば十分です。

文字盤の表記からわかること

文字盤によくある表記
表記意味
AUTOMATIC自動巻き(腕の動きでゼンマイが巻かれる)
HI-BEAT振動数の高い高精度な機械。グランドセイコーやキングセイコーの上位機に多い
DIASHOCKセイコー独自の耐衝撃装置の名前
21 JEWELS など石数。機械の軸受けなどに使われている人工ルビーの数
WATER PROOF / WATER 30 PROOF防水の表記。1970年ごろからは「WATER RESIST」に変わっていく
CHRONOMETER当時の精度検定に合格した高精度品であることを示す表記

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セイコー スポーツマチック カレンダー 820 シーホース。文字盤に WATER 30 PROOF の表記
セイコー スポーツマチック。「WATER 30 PROOF」「Sea horse」「DIASHOCK 17 JEWELS」など、文字盤だけでも多くの情報が読み取れます写真:Dnalor 01 / CC BY-SA 3.0(Wikimedia Commonsより縮小して掲載)

裏ぶたのメダリオン(紋章)

裏ぶたの中央に、金色のメダルや彫刻が入っていることがあります。これもモデルを見分ける大きな手がかりです。

昭和のセイコーの主なメダリオン・紋章
紋章主な使われ方
獅子(ライオン)グランドセイコーを象徴するエンブレム。1960年の初代グランドセイコーとともに登場
盾1960年代のキングセイコーに見られる紋章
イルカ1960年代の防水仕様の自動巻きモデルに多い
タツノオトシゴ1960年代の防水仕様の手巻きモデルに多い
波(ツナミ)・山・聖火などシルバーウェーブ、アルピニスト、クラウン クロノグラフなど、特定のモデルの彫刻

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※ 例外もあります。メダリオンだけでモデルを断定せず、裏ぶたの番号とあわせて判断してください。

「諏訪」と「第二」の見分け方

昭和のセイコーは、長野の諏訪精工舎と、東京・亀戸の第二精工舎という2つの会社で作られていました。グランドセイコーは諏訪、キングセイコーは第二で誕生したことで知られています。裏ぶたや文字盤の「SEIKO」の近くに小さなマークが入っていることがあり、時計好きのあいだでは「稲妻のようなマークが第二、渦のようなマークが諏訪」と言われています。

現行モデルの品番を調べる方法

平成以降の比較的新しいセイコーなら、製品の品番(SBGA211 など)も調べられます。

  • 保証書・保証カードを見る:品番が記載されています。セイコーブランドは2024年10月から保証書が保証カードに切り替わっています
  • 箱のラベルを見る:外箱や内箱のシールに品番が書かれていることがあります
  • 取扱説明書を探す:セイコーの公式サイトでは、裏ぶたの4桁のキャリバー番号で取扱説明書を検索できます(紙の説明書は2024年2月から順次添付されなくなっています)
  • 文字盤とキャリバー番号で検索する:「キャリバー番号+文字盤の色やモデル名」でインターネット検索すると、品番が見つかることがあります

グランドセイコーのキャリバー番号の頭文字

グランドセイコーは、キャリバー番号の頭文字で機械の種類がわかります。9S=機械式、9R=スプリングドライブ、9F・8J・4J=クオーツです。

調べた型番を査定に活かすには

型番を調べたら、次の情報をメモしておくと、査定を依頼するときにスムーズです。

査定前にメモしておきたいこと
項目書き方の例
ブランド・モデル名セイコー キングセイコー(文字盤に KS HI-BEAT)
裏ぶたの番号5626-7000
シリアル番号1N0123(→1971年11月製と推定)
素材の表記CAP GOLD、STAINLESS STEEL など
今の状態止まっている/ガラスに傷/ベルトなし など
付属品箱・保証書・外れた部品の有無

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もちろん、全部わからなくても大丈夫です。文字盤と裏ぶたの写真さえあれば、型番の確認は査定担当がいたします。「数字は読めたけれど、これが何の時計なのかわからない」という段階でも、お気軽にご相談ください。

形見の時計を調べている方は、素材の見分け方や相続の注意点もあわせて確認しておくと安心です。

あわせて読みたい形見の腕時計の価値の調べ方|文字盤と裏ぶたで分かること金無垢・金張りの見分け方や、売る前に気をつけたい相続と税金の注意点も解説。

当店でこれまでに買い取ったセイコーはセイコーの買取価格一覧でご覧いただけます。

よくあるご質問

問裏ぶたに数字が見当たりません。どこを見ればいいですか?
答

裏ぶたの外周部分に小さく刻まれていることが多いので、明るい場所で角度を変えながら探してみてください。1960年代前半の時計などは、シリアル番号が裏ぶたの内側に刻まれていることもあります。どうしても見つからない場合は、裏ぶたの写真をLINEでお送りいただければ、こちらで確認します。

問シリアル番号の1桁目が「1」なら、1971年と1981年のどちらですか?
答

シリアル番号だけでは決まりません。裏ぶたの「4桁-4桁」の前半(キャリバー番号)が何年ごろに作られていた機械かを調べ、その期間に当てはまる年を選びます。キャリバーの多くは製造期間が10年未満なので、ほとんどの場合ひとつに絞り込めます。

問自分で裏ぶたを開けて、中の機械の番号を見てもいいですか?
答

おすすめしません。専用の工具がないと裏ぶたに傷がついたり、防水性が損なわれたりします。また、ほこりや湿気が入ると故障の原因になります。外から見える数字だけで十分に調べられます。

問型番がわかれば買取価格もわかりますか?
答

型番はモデルを特定する大事な手がかりですが、同じ型番でも、文字盤・針・ケースの状態や、部品がオリジナルかどうかで金額は大きく変わります。型番がわかったら、文字盤と裏ぶたの写真とあわせてお問い合わせいただくと、より正確な目安をお伝えできます。

問保証書や箱がありません。それでも型番は調べられますか?
答

はい。この記事でご紹介しているとおり、裏ぶたの刻印と文字盤の表記だけで調べられます。昭和の時計はもともと箱や保証書が残っていないことがほとんどなので、ご安心ください。

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